国語の勉強の内容
国語なんて、センスやフィーリングがモノを言うから勉強してもムダ。
なんて言葉を、よく聞きます。筆者が中学生だったときも、そう思っていました。
しかし、それは大きな間違いです。
国語は「論理の科目」であり、国語の狙いは論理を自在に読み解き、表現する力をつけることです。
では、その論理の力を身につけるために、どんな内容を勉強すればいいのかを見ていきましょう。
その内容を勉強する理由も、合わせて紹介します。
国語なんて勉強して何の役に立つの?という問いに対しては、こちらの記事を用意しました。
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勉強内容の一覧
国語で勉強する内容を、以下に整理しました。
まずは、この5つに分けられます。
- 現代文
- 古典
- 国語の知識
- 作文と文章の構成
- 韻文
東京都の公立高校入試問題において、出題頻度が高い順に並べています。
とはいえ、入試への出題頻度が低いからといって、軽視して良いわけではありません。
なぜなら、全てに勉強する理由があるからです。
それでは、順番に内容と勉強する理由を確認してみましょう。
現代文
現代文。文字通り「現代」に書かれ、「現代」を題材にした文章を勉強します。
現代文を勉強する理由を一言でいうと「論理的に考える力を身につけるため」です。
現代文は、大きく3つに分けられます。
- 論説文・説明文の読解
- 小説の読解
- 随筆・手紙・日記の読解
論説文・説明文読解
「論説文・説明文」とは、物事の筋道を立てて論じた文章のことです。
筋道が立っている(論理的である)とは、ある主張の根拠がはっきりしていて、誰もが納得できるようになっていることです。
要は、「現代人と孤独について」「現代の文化について」などの、読みづらくて難しいアレ、です。
論説文・説明文を勉強する目的は「論理的に考える力を身につけるため」です。
小説文読解
「小説文」とは、事実ではなく創作された物語の、一部分を抜粋した文章のことです。
地の文(セリフ以外)とセリフで構成され、登場人物の行動と心情の変化が描かれます。
少年少女が主な登場人物になる場合が多いです。
小説文を勉強する目的は2つあります。
1つめは「文学作品の豊かな表現を学ぶため」
2つめは「論理的に考える力を身につけるため」です。
小説のくせに「論理的に考える力」?小説なんて好きに読みましょうってものじゃないの?
と思った方もいるでしょう。高校受験の国語に関しては、それは間違いです。
後日、別記事で詳しく解説します。
随筆・手紙・日記の読解
「随筆・手紙・日記」とは、筆者の体験やエピソードから、感じたこと・考えたことを書いた文章です。
ちょうど、論説文・説明文と、小説の中間くらいの堅さの文章です。
「随筆・手紙・日記」を勉強する目的は、上記の2つに加えて1つ、全部で3つあります。
それは「様々な人の体験を追体験し、視野と価値観を広げるため」です。
一見、受験勉強とは関係ないように見えるでしょう。
しかし、学校で学んだり入試問題で出る「随筆・手紙・日記」の書き手は、現代の知識人です。
その「賢い人」が体験したこと、考えたこと感じたことを理解するのは、今後生きていく上で大切なことです。
読みづらい論説文・説明文を理解するヒントになることも大いにあります。
古典
古典とは、長い年月に渡って評価されてきた作品で、模範とされてきた作品を指します。
古文と漢文を1つにまとめた呼び方でもあります。
古典を勉強する理由は3つです。
1つめは「論理的に考える力を身につけるため」
2つめは「古くからの文化や世界を理解し、知識にするため」
3つめは「言葉を使った表現を楽しむため」です。
古文
古文とは、江戸時代までに書かれた文章を指します。文語文法(主に平安時代の文法)に従い、歴史的仮名遣い(文語文法の表記)で書かれています。
要するに「竹取物語」「源氏物語」「枕草子」「平家物語」などですね。
古文では古文常識、古文単語、古文文法、古文読解の順に勉強すると効率が良いです。
覚えた知識(古文常識、古文単語、古文文法)を総合的に使って、古文読解をします。
高校受験の古文では、基礎知識をしっかりと覚えていればさほど難しい読解問題は出ません。
漢文
漢文とは、古代中国で発達した文語体(ここでは古代中国の文法)で書かれた文章のことです。
再読文字や漢文の構造を学んで漢文の読み方を勉強します。
漢文には散文と韻文があります。散文は小説・史伝・思想を指し、韻文は詩歌を指します。
要するに「春眠暁覚不(春眠暁を覚えず)」「国破山河在(国破れて山河在り)」とかのアレです。
漢文では、古文よりもさらに簡単な読解しか出ません。
苦手とする人が多いのは、「古代中国の文章なんか読めないよ」という先入観が大きな要因の1つではないでしょうか。
しかし、漢文で出題される問題は、しっかりと知識を覚えてさえいればほとんどが対応出来ます。
以下の知識をしっかりと覚えましょう。イメージしやすいよう、例文(実際の漢文)を用いて覚えます。
- 返り点の種類と用法
- 頻出漢字の読み方と意味
- 再読文字の読み方と意味
- 漢文の構造
- 漢詩の知識
古典の余談
これは余談ですが、古典の作品が何百年や何千年の時をこえて読み継がれてきたのには、理由があります。
それらが優れていて、役に立つ知識が多く、例えようもなく美しいからです。
古典を学んで優れた作品を理解すれば、それは一生の宝になるでしょう。
国語の知識
高校受験の勉強で学ぶ国語の知識は、以下のように分類出来ます。
- 漢字・語句
- 文法
- 文学史
国語の知識を勉強する意味は、2つあります。
1つめは「読解力・表現力の基礎にするため」
2つめは「最低限の教養を身につけるため」です。
漢字・語句
漢字とは、普段私たちが使っている文字の中で、古代中国が発祥のものを指します。
語句とは、単語や文章の区切りのことを指します。
要は、日本語を成り立たせている漢字や語句についての知識を持ちましょうということですね。
具体的には、漢字・熟語・慣用句・ことわざ・現代用語を勉強します。
高校受験に出題される漢字・語句の総数は、2000~3000くらいです。
ただ、「高校受験に出題される漢字・語句」を使いこなすには、より簡単な漢字・語句を覚えている必要があります。
ですから、場合によっては、小学校で習う漢字から勉強を始める必要もあります。
文法
文法とは、簡単にいうと日本語のルールのことです。
文章・段落・文・文節・単語についても学びます。
文法を苦手とする人は多いですが、法則に従って理解し、覚えてしまえば簡単です。
文学史
文学史とは、日本・世界の名作やその作者について勉強するものです。
高校受験で必要になる知識は、日本の奈良時代~平成までの文学史です。
これも機械的に暗記するのではなく、作品の内容と主題をセットで理解すると効果的です。
作文と文章の構成
問題の指示に従って自分で文章を書く問題全般を「作文と文章の構成」と呼びます。
「問題の指示に従って」がポイントです。
問題が「書きなさい」といっていること以外は、書いてはいけません。
逆にいえば、問題が「書きなさい」といっていることを書きさえすればいいのです。
記述問題
現代文で、問題文に書いてある内容を自分で説明する問題です。
論説文で、本文中に取り上げたテーマについてどういうことか書きなさい。
小説文で、登場人物の心情について書きなさい。
といった問題ですね。
苦手意識を感じる人が多い問題です。
記述問題が苦手な人は、まず「問題文をじっくり読む」から始めてみましょう。
「この問題、何を答えさせたいんだ?」とも言い換えられます。
「この問題、私は何を理解すればいいんだ?」と考えるのも重要です。
案外、「問題文を読めていない」から解けないのが多いのも、記述問題の特徴です。
小論文
現代文で、問題の指示に従って自分で文章を作る問題です。
具体的な体験や見聞も含めて、自分の意見を書きなさい。
とかいうアレです。
これは、埋められるけど点数が取れない……
なんて人が多いのではないでしょうか。
文章を書くこと自体がイヤで、空欄のまま出してしまう……
なんて人もいるかもしれませんね。
これも、まずは「なんでもいいから書く」時点からスタートしてみましょう。
最初はデタラメな答えになってしまっても構いません。
完全に不正解でも構いません。
とにかく、「自分で文章を作る」のに慣れる練習から始めましょう。
韻文
韻を踏んだ文章の、主に読解問題を中心に勉強します。
「韻を踏んだ文章」とは、ざっくりと「ある決まりに従って書かれた文章」くらいの理解で構いません。
要するに、詩・俳句・和歌・短歌のことです。
韻文は、読解・知識・技法について学びます。
読解とは、その詩がどういう内容を描いたものかを理解すること。
知識とは、特に有名な作品や、詩人・歌人についての知識を学ぶこと。
技法とは、言葉の使い方で、受け手にある感情を起こさせるテクニックを知ること。
高校入試での出題率は低めなので、時間を使いすぎるのはよくありません。
しかし、中学校の国語の授業では必ず勉強します。
定期テストには出題されるので、勉強する必要はあります。
個人的には、詩を味わったり短歌を詠んだりするのは最高の娯楽だと思うので、ぜひ熱心に勉強するのをおすすめしますが……。
国語の勉強の内容を把握しておく
高校受験で国語の勉強をするにあたって、まずやるべきなのは勉強する内容の把握です。
高校受験で主に出題されるのは、主に現代文と古文です。
しかし、ダイレクトに漢字・語彙・文法・文学史の知識を問う問題もあります。
それに、総合的に合格点を取るためには、国語で勉強する内容全般を、きちんと学んでいる必要があります。
ですから、どこを勉強しても損にはなりません。
まずは、国語の勉強内容を把握することから始めましょう。