そもそも、英語って何を勉強するの?
そろそろ高校受験について勉強しようと思い始めた人に、まず知っておいてほしい考えがあります。
それは「そもそも英語って何を勉強するのか?」です。
何ってもちろん英語なのですが、具体的な内容を知っておけば、何をなぜ勉強するのかがわかります。
中学校で習う英語の具体的な学習内容はなんでしょうか?
また、高校入試の英語を解く上で、具体的には何を勉強するのでしょうか?
文部科学省の中学校学習指導要領
文部科学省の中学校学習指導要領で、英語学習の目標と内容がまとめられています。
目標を引用したのがこちらです。
(1) 初歩的な英語を聞いて話し手の意向などを理解できるようにする。
(2) 初歩的な英語を用いて自分の考えなどを話すことができるようにする。
(3) 英語を読むことに慣れ親しみ,初歩的な英語を読んで書き手の意向などを理解できるようにする。
(4) 英語で書くことに慣れ親しみ,初歩的な英語を用いて自分の考えなどを書くことができるようにする。
出典:文部科学省
あまりピンときませんね。
要約すると、英語を「聞く、話す、読む、書く」ができるようになりましょうという意味です。
中学3年間の具体的学習内容
では「聞く、話す、読む、書く」をできるようになるために、中学3年間ではどんな内容で勉強するのでしょうか。
基本的には、文法と英文読解を中心に行います。教科書の英文を使って文法を習ったり訳を解説されたりしますよね。
2019年現在では、英語表現(話す、書く)も重視されつつあります。
それでは、その「聞く、話す、読む、書く」をできるようになるために、具体的にどんな内容を勉強するのかみてみましょう。
語彙
語彙、ボキャブラリー。英単語全体を指す言葉です。
学校ではちょくちょく、成績に影響する英単語の小テストを行いますよね。
定期テストに、英単語を書く問題が出る場合もあります。
あれで語彙の勉強をします。
文法
中学校で学習する英語の文法を使えば、英語で簡単なコミュニケーションを取れるようになります。
具体的な内容は、以下の通りです。
中学1年生で習う文法の内容
- be動詞・一般動詞
- 疑問文・否定文
- 疑問詞
- 命令文
- 三人称単数現在
- 現在進行形
- ~できる(can)
- 過去形(一般動詞)
- 名詞の複数形
- 代名詞
中学2年生で習う文法の内容
- be動詞の過去形
- 過去進行形
- 未来形
- 動名詞
- 不定詞(2年生の範囲)
- 助動詞
- 比較形
- there is(are)~の文
- 接続詞
- 受動態
中学3年生で習う文法の内容
- 現在完了
- 不定詞(3年生の範囲)
- 分詞
- 間接疑問
- 関係代名詞
- 形容詞
- 副詞
多いですね。3年生は単元こそ減りますが、受験が控えているため、1・2年生の総復習をします。
結果として、文法の内容は3年生が1番大変です。
英文読解
英語の授業では、教科書の本文を使って音読したり訳の解説を聞いたりして勉強しますね。
あれが英文読解です。覚えた語彙と文法を使って、英文を読む練習をしているのです。
ところが、学校の授業では「英文を読む」練習は十分にできません。
なぜなら、英文が読めるというのは、語彙や文法を考えなくてもわかるくらい理解して覚えているのが前提となっているからです。
授業で習ったばかりの語彙や文法を、考えなくてもわかるくらいには使いこなせませんね。
授業でやる「英文読解」は、英文を読むためというよりもむしろ、習った語彙や文法を使いこなせるくらい覚えるために使うといいでしょう。
英語表現
英語表現とは、文部科学省の中学校学習指導要領の「書く、話す」にあたります。
プリントや問題集で、覚えた語彙と文法を使って自分で文章を作る授業や宿題がありますね。
二人一組やグループになって、英語で自己紹介などに挑戦する授業もあるでしょう。
それが英語表現です。
学校の授業だけで入試に必要な学力はつく?
学校の授業だけでは、入試に必要な学力が十分につく人はごく少ないです。
どんなに一所懸命授業に参加してもです。
理由は簡単で、1度習っただけの内容は誰しもすぐに忘れてしまうからです。
相対性理論で有名な「人類史上最も頭がいい」といわれた人間の1人、アインシュタインは、自宅の電話番号を覚えていませんでした。
何度か覚えようと努力しなかったから、覚えていなかったのです。
勉強ができる人は、ほぼ例外なく何度も何度も反復して勉強しています。
偏差値40以下の高校の入試問題でも、少なくとも中学1年生で習う文法の内容を使いこなせる必要があります。
高校受験の英語で勉強する内容は?
学校の授業だけでは、多くの場合入試に必要な学力は十分につきません。
つまり、学校の授業以外で勉強する必要があります。
では、どんな内容の勉強をすればいいのでしょうか。
もっと正確にいうと「具体的に何が出来るようになれば、高校受験の英語が出来るようになるのか」。
高校受験の場合は、以下の6要素を「出来るようになる」のが重要です。
- 1.英単語・英熟語を習得する
- 2.英文法を理解して習得する
- 3.英語構文を理解して習得する
- 4.長文読解を制限時間内に合格点分正解する
- 5.英作文で指示通りの英文を書く
- 6.リスニングで正確に聴き取って合格点分正解する
ここでいう「英語が出来る」とは、「公立高校受験の英語の入試問題で合格点を取れる」と定義します。
英会話が出来るようになるためなら、英語圏の国に1人で放り出されれば勝手に「出来る」ようになります。
「英語の入試問題で合格点を取れる」ためには、きちんと手順を踏んで勉強する必要があるのです。
1.英単語・英熟語の勉強内容
まずは、英単語・英熟語の習得から始めます。
英単語とは、「意味を持つ言葉を1番小さく区切ったもの」です。I(名詞:私は)とか、play(動詞:遊ぶ)とかですね。
英熟語とは、「複数の英単語で出来ていて、よく使われる特定の意味を持つ言葉」です。
イディオムとも呼ばれます。at first(最初は)とか、carry out~(~を実行する)など。
英単語・英熟語は、英語を理解するため、まず最初にある程度覚えておく必要があります。
なぜなら、英単語・英熟語が理解出来なければ、長文読解はおろか英文法ですら理解が難しいからです。
2.英文法の勉強内容
次に、英文法の習得に着手します。
英文法とは、「英語という言語を形作る上でのルール」です。
複数の単語を、決められた順番・決められた言葉の形(3人称・単数・現在形の主語に対応する動詞には“s”などをつける、とか)で並べると、特定の意味を持つ文章が出来ますね。
その「順番・言葉の形の決まり」が「文法」です。
よく聞く「関係代名詞」とか「受動態」とか「現在完了」とかを指しますね。
英文法は、英単語・英熟語の勉強と並行して行います。
英単語・英熟語がわかればわかるほど、英文法もわかるようになっていきますよ。
逆も同じです。
英語構文
長文読解の練習に入る前におさえておきたいのが、英語構文。
英語構文とは、「英語の文章を形作る上でのルールで、よく使うパターン」です。
英文法といったい何が違うのでしょうか?
それは、「英文法は、英語という言語全体のルール」であるのに対し「英語構文は、英文法の中でよく使われるパターン」です。
つまり、「英語構文」は「英文法」の一部なのです。
ピンとこなければ、「第1文型(SV)」とか「第2文型(SVC)」とかいうアレ、と思ってください。
これを覚えると、英語の長文が読めるようになります。
長文読解
英単語と英熟語を覚え、英文法を理解し、英語構文を身に着けたところで、やっと長文読解に入ります。
「長文読解」というくらいですから、当然英語の長文を読む練習をします。
ところが、読むだけでなく、読んだ結果わかった情報を使って、正確に正解を選ぶ練習も必要です。
「読む練習」と「正解を選ぶ練習」は、少しやる内容が違うのです。
英語長文を読んだ上で、正解を選ぶ練習を重ねれば、高校入試問題のうちかなりの割合の問題を得点源に出来ます。
英作文
英作文は、文字通り英語で問題が指示する通りの文章を書くことです。
英単語・英熟語を必要な分覚え、文法と構文を理解して使えるくらいに修得し、長文読解でたくさんの英文に触れたあとで、初めて出来るようになります。
といっても、公立高校の入試問題では、物凄く難解な英作文をする必要はありません。
偏差値トップクラスの開成高等学校の入試問題の英作文ですら、中学レベルの文法知識が十分にあり、しっかり練習していれば解答出来ます。
英作文のコツは「考えなくても出てくるくらい馴染んた知識を使って、問題の指示に沿った英文を書く」です。
リスニング
リスニングは「聴き取りさえ出来れば解ける」と思われがちです。
しかし「聴き取れる」ためには英単語・英熟語・英文法・英語構文が頭に入っている状態で、なおかつ放送されるいくつかの文章を読み取る力が必要です。
ですから結局、リスニングを鍛えたければ、リスニング以前の基礎をしっかりと固めるのが近道です。
英語勉強の内容はやることがたくさん
高校受験の勉強で、やるべきことがたくさんあるのがわかりましたね。
難しいし、覚える内容は多いし、時間はかかるし、受験勉強はとても大変です。
しかし、それを乗り越えるとたくさんの力が身に着きますよ。
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