英単語を勉強するとどうなる?
英単語を覚える重要性は、ほとんどの人が知っているでしょう。
具体的な勉強方法を見る前に、
「英単語を覚えるとどうなるのか」を紹介します。
世界が激変する
英単語をたくさん覚えると、世界が激変します。
いや、本当です。なぜなら、街中に溢れる英単語の意味がわかるようになるからです。
わたしたちの身の回りには、思ったより英単語がたくさん使われています。
意味がわからないと、印象に残らないからそうは見えないだけです。
英単語をたくさん覚えると、その辺で使われている英単語が突然「意味を持つ言葉」になります。
例えば、exitという単語。あちこちにあります。
「The Pillow Book」って、なんのことでしょうか。おそらく誰でも知っている文学作品です。
automatic doorは?学校にはなさそうですが、スーパーにはたいていあります。
野菜がおいしいファストフード「SUBWAY」の名前の由来はsubmarineから来ています。サブウェイのパンの形が何に似ているかを考えると、にやりとできます。
そうそう、「ファーストフード」ではなく「ファストフード」が正しい理由は?fastだからです。マクドナルドが1番fastですかね。
英単語をたくさん覚えていないと、なんのことだかわからなかったかもしれません。
でも、覚えると、それらの意味が突然わかるようになるんですよ。
盛っているわけではなく、本当に世界が激変します。
英語の勉強が楽になる
英語の勉強が楽になります。
英文法をやるにも、長文読解をやるにも、知っている単語が多ければ多いほど理解しやすいです。
英単語をたくさん覚えた状態で、英語長文を見ると、
「なんの話をしているかはわかるけど、具体的な内容がわからない」
という不思議な状態になります。
これは、英文法と英語構文が身に着いていないからです。
だから英文法と英語構文を勉強すれば、英語長文が読めるようになります。
そして、英単語をたくさん覚えているものですから、英文法・英語構文を覚えるときに例文が理解しやすくなります。
英単語の学習内容
どれくらいの英単語を覚える?
どれくらいの英単語を覚えるべきなのか。
これは、現在完璧に覚えている英単語の数と、高校受験までに必要な英単語の数によって変わります。
文部科学省の学習指導要領には、「中学3年間で1600~1800語程度」を習得する必要があると書かれています。
以下に、志望校の偏差値ごとに必要な単語数をまとめました。
偏差値 50 |
偏差値 60 |
偏差値 70 |
|
---|---|---|---|
必要 単語数 |
1200語 | 1600語 | 2000語 |
偏差値55なら1400語、偏差値65なら1800語程度と、だいたい必要単語数は偏差値に比例しています。
とはいえ、多めに覚えておいて損はありません。
ただし、高校受験までもう残り時間が少ししかない、という場合は、必要最低限覚えたらさっさと文法の勉強に行きましょう。
いつまでに英単語を覚える?
早ければ早いほど良いです。
タイムリミットとしては、中学3年生の夏休みに入るまでです。
なぜなら、中学3年生の夏休み以降になったら、もう本格的に入試問題を解く準備をしなければならないからです。
中学に入学して何ヶ月か経ち、英語に慣れてきたら、すぐにでも英単語を必要なだけ覚えるのをおすすめします。
少なくとも、中学1年生のうちに覚えておくべき英単語は、中学1年生の夏休み中くらいに覚えてしまいましょう。
学校で習った分だけ、バラバラに覚えるのではなく、単語帳などを使って一気にたくさん覚えるのがコツです。
とはいえ、中学1年生の間に高校受験を見据えてしっかり英単語を勉強するのは、そうそうできることではありません。
タイムリミットは、中学3年生の夏休みまでです。
中学3年生の夏休みに入っても、必要なだけ英単語をしっかり覚えていないなら、ヤバいと思ってください。
なぜなら、英語の勉強は
英単語→英文法→英語構文→英語長文読解→リスニングや英作文
と進めるのが最も効果的だからです。
英単語を覚えていないと、その先の勉強は実際より難しく感じます。
英単語の勉強方法
では、具体的な勉強方法をみてみましょう。
まずは教材を選ぶ
まずは、英単語の勉強に使う教材を決めます。
これじゃないとだめ、というのはありません。高校受験を想定した単語帳を使いましょう。
学校で配られたものがあれば、それでも構いません。
ただし、学校の授業で使ったプリントを集めたもの、というのはおすすめしません。
高校受験に必要な英単語を、網羅できない場合が多いからです。
おすすめの単語帳もいくつか紹介します。
高校入試 でる順ターゲット
高校入試の過去問題を分析して、頻出度が高い1800語を出題される頻度が多い順番に並べられています。
レベルは全部で5段階。どこまで覚えればいいかはっきりわかりますよ。また、例文がたくさん入っていて、単語の使い方もよくわかります。
音声が無料でダウンロードできるサービスもついているので、発音と一緒に覚えるとより効率アップです。
以下のような人にぴったりです。
- 高校受験まで時間がない
- 難関高校を目指している
システム英単語中学版
超・ロングセラー商品です。
重要単語を学年別に並べてあり、いつまでに何を覚えればいいのかがわかりやすいです。
文法事項や会話表現などの解説も豊富で、英語の参考書としても使えます。さらに英単語の並び順が主要教科書に合わせてあるため、学校の定期テスト対策にも役立ちます。
以下のような人にぴったりです。
- 高校受験まで時間がある
- 文法なども一緒に勉強したい
中学英単語1850
これも有名な単語帳です。
高校入試問題を徹底的に分析し、重要度が高い順番に並べています。
訳は最小限に絞ってあるので、「とりあえず英単語の基礎を抑えたい」人に向いています。
無料のアプリもダウンロード出来て、そちらではクイズ形式で英単語の学習が出来ます。
以下のような人におすすめです。
- 英語の苦手意識が強い
- アプリも活用して覚えたい
1つ5秒、1日にたくさん
英単語の勉強方法の鉄則は
「1日に出来るだけたくさんの単語を1つにつき5秒勉強、これを1ヶ月繰り返す」
です。
ほんとに5秒で覚えられるの?と思うかもしれませんが、覚えられます。
5秒を30回繰り返すのです。
例えば、1日100語を単語1つにつき5秒、毎日1回ずつ勉強するとします。
これを1ヶ月繰り返すと、100単語を30周することになります。
その場合かかる時間は、5秒×100語で500秒。たったの8分と少しです。
同じ要領で、500語、1000語、1500語なら1日にどれくらいの時間がかかるかみてみましょう。
1日500語 | 1日1000語 | 1日1500語 | |
---|---|---|---|
1日当たりの時間 | 42分 | 83分 | 125分 |
1500語を1ヶ月で覚えるのでも、たったの1日2時間と少しです。
英語の他の勉強を一旦ストップして、1ヶ月間英単語を必死で勉強するだけで、確実に英語の力はアップします。
さらに、30回繰り返すまでに完璧に覚える単語も出てきます。
それに、もとから覚えている単語だってあります。
実際には、1ヶ月もかからずに覚えられますよ。
1単語5秒で何をするの?
1単語を、5秒かけて勉強する。
5秒でOKです。テンポよく、次々多くの単語に繰り返し触れることこそが重要です。
たったの5秒で、どうやって勉強したらいいのか?
それは、
「見る、聴く、音読」です。
5秒間で、少なくとも「聴く」は出来ますね。
初めて見る単語を読むのはもう少し時間がかかるかもしれませんが、聴くだけならだれでも5秒で出来ます。
もちろん、最初は「ふーんこんな音なんだ」くらいの感覚で構いません。
単語帳を2周する頃には、「見ながら聴く」を出来る人も出てくるでしょう。
単語を見て、スペルを意識しながら発音を聴く。
もしも余裕があれば、自分でも発音してみましょう。
単語帳3周目くらいで、「音読」も出来るようになってきます。
単語を見た瞬間に、すらすらと声に出して読めるようになっている単語も増えてきます。
そうなったら、意味を覚えるまであと少し。
英単語を覚えるコツ
「これで覚えられる」と理屈は分かっても、具体的な方法やコツが分からなければ、実行は難しいですね。
ここでは、英単語を覚えるための具体的な方法とコツをお伝えします。
とにかく続けてみる
重要なのは、とにかく続けてみることです。
数日途切れたって、投げ出してしまう必要はありません。
単語帳を1周でもすれば、記憶の片隅には残ります。
ですから、間が空いて覚えた単語を忘れると
「あのときの苦労が無駄になった」
と思うかもしれませんが、そんなことはありません。
必ず毎日でなくてもいいです。
数日サボったって構いません。
とにかく、続けてみてください。
もちろん、受験まで日がない場合は別ですが……。
完璧でなくてOK
単語を覚えるのは、最初から完璧に覚えようとしなくてOKです。
どんなに覚えるのが得意な人でも、たいてい
「何回やっても何回やってもどうしても覚えられない単語」
は出てきます。
1000~2000語も覚えようとしているのだから、当然のことです。
そもそも、覚えるのに必要な時間や回数は人それぞれ。
友達が1回で覚えたからといって、あなたも1回で覚えなければいけない訳ではありません。
必要最低限の単語数を覚えるのは、もちろん重要です。
でも、英語の力は、覚えている単語の数だけでは決まりません。
どうしても覚えられない単語があったら、こだわりすぎずに次のステップに進むのも勇気です。
まずは意味を覚える
単語を覚えるときは、まずは意味を覚えます。
日本語訳の中で、最初に書いてある意味をとりあえず覚えればOKです。
単語帳を何周も繰り返す中で、2番目、3番目に書いてある意味も覚えていきましょう。
最初は、「この単語、どっかで見たことあるな」
の状態で構いません。
次に「なんかこれ、こんな意味だったような気がする……」
という状態を目指します。
それから「少し考えたら意味が浮かんでくる」
ように。
それから「一瞬で意味が分かる」
ように覚えてみましょう。
次に品詞を覚える
意味を覚えながら、英単語の品詞も覚えます。
品詞とは、単語のはたらきや形を元に分類したものです。
例えば、「動詞」「名詞」「形容詞」など。
出来れば、単語帳を2・3周する頃に
「この単語の品詞は〇〇だな」と、チラッと意識するようにしてみてください。
その方が、意味を覚える効率もよくなります。
それから発音を覚える
意味と品詞を覚えながら、発音も覚えていきましょう。
これは、最初から音声で聴いていればラクに出来ますね。
最初から正確に覚えられなくて構いません。
一番最初は、「カタカナ読みでなんとなく頭に入れる」
から始めてもOKです。
もちろん、ほんとは最初から正確な発音を覚えるのが理想です。
でも、それが出来たら誰も苦労しませんよね。
意味を覚え、品詞が頭に入ってきたら、正確な発音が出来るようにしてみましょう。
書いてスペルを覚える
意味を覚え、品詞を覚え、発音を覚えたら、正確なスペルを覚えていきましょう。
スペルを覚えるのは、後回しです。
なぜなら、まずは「この単語……確かこういう意味だ!」
というくらいには覚えていないと、スペルを覚える効率も悪いからです。
品詞と発音を覚えれば、スペルはぐっと覚えやすくなります。
テストをして成果を確認
仕上げに、テストをして覚えた英単語の成果を確認しましょう。
まずは、日本語訳。つまり、英単語を並べて、その意味を書くテストをします。
次に、英語訳。日本語を並べて、そのスペルを書くテスト。
これも、最初から完璧を目指す必要はありません。
全ての単語で満点を目指すのもいいですが、それだと英語全体の力を付けるためには効率が悪い場合もあります。
受ける高校によっては、あまり英単語のスペルを覚える必要がない場合もありますからね。
それなら、英単語をだいたい覚えたら、次のステップである英文法に移った方が良いです。
まずは英単語を覚えてみよう
英語の勉強は、英単語に始まり、英単語に終わります。
いや……正確には、英語の勉強は生きている限り決して終わることはありませんが……。
ともかく、高校受験の英語で、最初に手を付けるのは英単語です。
まずは英単語帳を用意して、気軽に始めてみましょう。